아내
「世界ウルルン滞在紀」を見てます。毎週世界中に滞在するのですが、
翻訳をみて、思うことがあります。
開発途上国や、原野に住む原住民の話す言葉はすこしぞんざいな
表現をしているんです。
現地の言語がわからないので、翻訳に頼るしかないんだけれど、
本当に現地の人は、そんな言葉遣いで話しているのだろうか、と
疑問をもつことがあります。
現地にホームステイする日本人の俳優やタレントに、「お前」などと
呼んでいるけど、ほんとうにそんな風に話しているのかなと思います。
「わたし、日本語、しらない、あるよ」と聞くと、
もしかしたら、日本語を習いたての中国の人を
イメージする人がいるかもしれません。
(いまは、日本語をちゃんと習うから、そのような
ことはないと思いますが。)
「わしは、博士じゃ」というようなしゃべりは鉄腕
アトムの御茶ノ水博士を思い出させます。(自分のことを
博士ですという博士も珍しいが。)
なぜでしょうか。
その疑問に答えたのが次の本です。
- 作者: 金水敏
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/01/28
- メディア: 単行本
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お茶の間で長らく人気のあったドラマ「刑事コロンボ」の
の台本を翻訳された額田やえ子さんの本があります。
- 作者: 額田やえ子
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1989/02/10
- メディア: 文庫
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額田さんは、そのドラマの主人公やジャンルによって
同じ単語でも訳し方を変えていたんですね。
たとえば、刑事コロンボでは、妻のことを「うちのカミさん」
刑事コジャックでは、「うちのワイフ」
殺人現場の死体を、コロンボは「仏さん」、コジャックは「ガイシャ(被害者の略)」
といっています。
ちなみに、刑事コロンボの第1回の翻訳は額田さんではないので、翻訳では
うちの妻といっています。
特にコロンボでは、声優の小池朝男さんが言うとしたら、なんというかを
想像して翻訳した、という凝ったもの。そんな字幕翻訳のエピソードが
たくさん載っているほんです。
途上国だからといって、粗野な言葉遣いで訳すのと質が違いますね。